マーケティング基礎

【初心者必見】テレビCM成功の秘訣:企画から出稿まで自力でできる!広告主が知るべきポイントとは?

こんにちは。ミイコです。新米マーケターをしています。
先日、「テレビCMを出稿してみたい」というクライアント様からのご依頼がありました。

映像制作のお仕事ではありますが、このような代理店業務のご依頼は初!
出稿までに乗り越える壁はいくつもありました。

テレビCM出稿を検討する

テレビCMへの出向は制作会社へ依頼することがほとんどのパターンですが、広告主となる私たちも知っておくべきこと、依頼前に決定しておくべきことがあります。

1. 目的とターゲット

  • 目的の明確化:テレビCMを通じて達成したい目標を明確にする。
    (認知度向上、販売促進、ブランドイメージ強化など)
  • ターゲットと視聴者層をリサーチ:年齢層、性別、地域、興味・関心など
    具体的なターゲット層を設定する。

2. 予算

映像編集費、CM制作費、放送枠購入費などの費用を含めた総予算を決めておきましょう。
制作会社へ依頼する際にも予算を伝えることで希望のプランを提案してもらえます。
自社で出稿までの手続き、制作などを行う場合にもCM枠を購入する際に費用を決めておくとよいでしょう。

3.その他事前に検討しておくべきこと

  • テレビCM出稿までのスケジュール:放映の日程や、それまでの制作のスケジュール作成
  • 競合分析:競合他社のテレビCMを分析し、戦略を考える。
  • リスク管理:不測の事態に備えたリスク管理(ネガティブな反応への対策など)を行う。

これらの検討事項を総合的に考慮することで、効果的なテレビCM出稿が可能となります。

業態審査(広告主の事業を審査)

初めてCMを出稿する場合、放送基準や法令に基づいて数々の審査が行われます。
企業の調査から、経営状態や、従業員数などの聞き取りのための面談が行われます。営業状況や、販売メニュー、ホームページやSNSのメディア媒体の内容や文言までチェックが行われました。その結果が出るまでだけでも数週間を要します。

<提出する資料の一例>

・履歴事項全部証明書
・会社概要情報
・商品情報
・ご担当者の連絡先

 

審査員も複数人が関わっているようです。それは、CMをみた消費者へ正確な情報が届くように、特定の個人や団体の利益ではなく、広く社会全体利益になるようにするための審査が行われるそうです。

CM枠検討 ターゲットの視聴時間に合った枠取り

どの局、どのエリアに放送させるのかを検討します。ターゲット選定ですね。

ターゲットが観るであろう時間帯
ターゲットに興味がありそうな番組の合間

はじめてのテレビCM出稿におススメの種類は2つ

  • スポットCM
  • タイムCM

スポットCMは、その名の通り、スポット(期間や時間帯)を決めた出稿方法です。
その決まった期間や時間帯の中でランダムにテレビCMが放送されます。
視聴者が多い時間帯は競争率が高く、放映料も高くなります。
期間についても局などにもよりますが、1週間からさらにそれ以上の期間の枠を確保する必要があります。

はじめてテレビCMを出稿するときには、様子をみるためにスポットCMで出稿するほうがリスクは少なく、反応を見ることができると言われています。

例えば、期間限定のキャンペーンを紹介したい場合には、スポットCMにすることで、
様々な時間帯で、短い期間に出稿することができます。ターゲットが主婦層であれば日中の時間帯のみ、ワーカー層であれば、夜間帯のみ、週末のみなどに絞った放映をすることができます。

タイムCMは、番組のスポンサーとして、その番組の合間でCMを放送することです。
ということは、例えば、ドラマなどであれば6ヶ月間、バラエティー番組などでも長期間の出稿をすることができます。番組の視聴者層がターゲットと一致することが明確であればとても有効に、かつ認知度は爆上がりですね。はじめてのテレビCM出稿には不向きかもしれません。

CM素材の準備

協会の審査が通ったらCM素材を用意します。制作会社に依頼をする、もしくは広告代理店経由で制作を依頼します。自社制作し、素材持ち込みも局によっては受け入れてもらえます。ただ、素材には規定があり、それに準じたクオリティの映像を用意する必要があります。

素材の持ち込み基準の一例

・字幕についての基準
・データ納品形式の指定
・ 標準アスペクト比 16:9
・デジタル記録方式(1080iなど)
・音声付加装置(ドルビー方式等は不可)
・指定のカセットテープ(個別で購入すると3万円~5万円前後のようです)
・CM映像の冒頭と終了は最小限 0.5 秒間を無音声とする

さらに

音響についてもステレオやモノラル、ボリュームサイズも確認し、指定の音声に変換する必要があります。

例えば、付加装置(ドルビー方式等)を必要とするものは受け付けられないなどといった基準もあります。チャンネル形式やサンプルレート、音声ピーク値 の確認も局側に確認したうえで編集をすることをおススメします。

あくまでも一例ですが、局により違うこともあるため、納品形式は確認が必要です。

CM内容考査を通過して正式な発注

放送局にてCMの内容や表現をチェックします。絵コンテやショットリスト、CM映像、商品・サービスなどがわかる資料や実際に使われている商材を提出することもあります。

ここでも表現や映像に不快感がないかなどといったことももちろん、消費者に誤解を招くことがないことが大前提です。

今回関わった案件は、美容系商品の取り扱いがあったため特に厳しい審査でした。
過去に同じ業態でトラブルのあった事例などがある場合には同じような事例がないか、クレームなどが発生していないかとも調査されました。

とはいえ、商品のクオリティや販売方式、アフターフォローなどの形式ができていれば
それを伝えるだけのことです。

テレビCMに出向される商品やサービスはこの厳しい審査を通過してきているのです。
この審査を通過したという”バッジ”があることで信頼度は非常に高いものと言えます。

CM内容考査が受理された後、CM素材を納品します。

CM枠の正式発注

CM枠をとり、いよいよ出稿が見えてきました!同時に修正指示にも対応しつつ、CM枠を確定させます。

ここで改めてCMのターゲットや目的を再確認!

局と調整する際には局側からの情報を出してもらいます。
・各番組の視聴者層
・時間帯別、属性別の視聴者
・人気番組や、これからはじまる番組などの番組情報

視聴者についても趣味、嗜好や家族構成、職業から生活リズムなどといった
貴重な情報を持っています。この情報と、出稿するターゲット、目的と合致するCM枠を決定していきます。

放映期間:どのくらいの期間にテレビCMを流すのか。
最低1週間程度の確保は必要とされます。

はじめてテレビCM出稿をスポットで行う場合には、キャンペーン期間に合わせる、
集客をしたい時期に合わせるなどを検討するとよいでしょう。

または、他施策と組み合わせてタイミングを合わせることも相乗効果が見込めます。

<スポットCMの場合での放送枠の取り方例>

・全日型:テレビ放送時間全ての時間帯の中で、ターゲットや単価によって枠を確保
・逆L字型:ターゲットが働く世代の場合には有効
・深夜帯など:深夜番組を視聴する層や、若者層など向き
・バラエティのみ等:ファミリー層や番組視聴者がターゲットに合致している場合
・コの字型:平日の朝と夜、週末のターゲット層
(例)働く主婦層、会社員など
・ヨの字型:平日の朝と夜、昼休み時間、週末
(例)コの字型同様に働く主婦層、会社員などに加え、
昼休みにも休憩スペースでテレビを視聴するような環境にいる職種層など

どの枠を取るかによって、1本の単価に違いがあります。
視聴者層が多い時間帯や、人気番組の時間帯は高単価です。競合も多く、
予算内での出稿本数は少なくなります。
反対に、視聴者が少ない、深夜や早朝などは1本の単価が低く、出稿本数は多くなります。

テレビCM出稿に必要なCMコードを取得

10桁CMコードとは

広告事業者(広告主)と広告代理店放送する局などテレビCMに関わる各社、団体などが共通に管理するための統一したコードです。
テレビCMを出稿する全ての広告事業者は、自社で「10桁CMコード」を取得しなければなりません。共通コード管理センターへ広告事業者コードの発番を申請し取得します。

このコードは広告事業者コード(4桁)と、素材コード(6桁)から成るコードです。

広告事業者コード(4桁)

放送局連盟や広告業務協会などが設立した「共通コード管理センター」に申請を行い、番号を取得

素材コード(6桁)

広告事業者(広告主)が発番し、管理をする

このコードを取得することでテレビCMの管理や分析の際の識別にも利用されます。

  1. CM識別と追跡
    いつ、どこで放送されたかを正確に追跡することができます。各CMに一意のコードが割り当てられるため、同じ広告が複数回放送されても、特定することが可能です。
  1. 効果測定
    CMコードを用いて、視聴率、反響などを測定しやすくなります。効果測定のデータを分析することで、次回以降の広告戦略の改善に役立てることができます。
  2. 報告と管理
    広告主や広告代理店に依頼した場合には、放送局から提供される放送実績データを基に、CMの視聴率や効果を報告することも行ってくれます。CMの放送スケジュール管理や、放送回数のチェックなどにおいても重要な役割を果たします。

放送開始から放送後

放送後に「放送確認書」が発行されます。

放送確認書とは・・・
CMが放送されたことを公式に証明してくれる書類。
10桁CMコード、放送日時、放送秒数が記載されています。テレビ局が放送確認書を発行し、広告代理店経由で広告主に提出されることで、CM出稿料金が請求されます。

なお、報道特番など緊急の事情が発生し、予定していた枠以外でCMが流れた場合にも、放送確認書に理由が記載されます。

まとめ

CMが放送されるまでの準備期間には工程がたくさんあることがおわかりいただけたでしょうか。私はテレビCMの見方が少し変わりました(笑)
Web広告と比べると気軽には出稿できない分、クオリティの担保とブランディングにもなるのではないでしょうか。

一度検討してみる価値はあるかもしれません。

 

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miiiko
初めまして。ミィと申します。 リスキリングでマーケティングを学び始めました。事務職を長年やってきたのですが、マーケティングの面白さに気づいてしまい、今必死に詰め込んでいます!
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